Calcio café

サッカー及びフットサルについて思ったことを書きます。

白黒の掌

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昨晩のユーベ対バルサの一戦。ユベントスがホームの1st legで3-0で勝ち越し、圧倒的優位で迎えたカンプノウでの決戦であった。

バルサはパリの奇跡を再現することができるのか。注目を集めた試合のスターティングメンバーは次の通りであった。

ユベントス

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バルセロナ

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ユベントスは第1戦と変わらず。

バルセロナは3バックから4バックに変更し、ブスケッツが中央に入った。この4バックの意味とブスケッツの存在価値については前の記事で解説をしているので読んで頂けると有り難い。

なんにせよ、バルセロナは1stレグと比較して攻守に可能性を感じる陣容となった。

では試合を見ていこう。

高速のチキンレース

試合が始まるなり、ユベントスは第1戦と同様積極的にプレスをかけていった。しかしブスケッツを中盤に置き、4バックになったバルサを相手には流石に前線でボールを奪い切るような形は作れない。特にキーパーのテア=シュテーゲンにまであえてボールを下げてしまうのでプレスは流石に届かなかった。

対するバルサユベントスの4バックにまでプレスをかける。結果として序盤はカウンター合戦となり、試合はどんどん加速していった。バルセロナは個人技、ユベントスは主に右サイドの連携で攻め合った。

この展開は8分を過ぎた辺りで終わりを迎える。

白と黒の2本線

ユベントスが組織的な守備を始めた。最終ラインと中盤にしっかりフィルターを作り、バルセロナの中央攻略を困難にした。メッシ等技巧派プレーヤー達が中央突破を試みるもあっさり止められ、縦パスもカットされる。試合の速度は徐々に遅くなり、構えるユーベとそれを囲むバルサという構図が出来上がった。これだけだとPSGの失敗と同じどあるが、ユーベは何しろプレーが正確である。最終ラインはゾーンを徹底的に守る。また奪ってからのカウンターが鋭く、バルセロナに対する抑止になっていた。このカウンターは主にクアドラードのスピードによるもので、これがバルセロナにとっては脅威だった。

ネイマール頼りのバルサ

クアドラードが快速カウンターを炸裂させている背後に1人、ユベントスの掌からはみ出しつつあるブラジル人が居た。ネイマールである。その破壊力は凄まじかった。ユーベはスライド式守備でバルサの攻撃をサイドに受け流していた。ユーベはそれが出来れば戦術的には勝ちである。しかし、流した先に今日は規格外のドリブラーが存在した。ボールを受け取ったネイマールはほぼ独力でユベントスペナルティーエリアに接近、或いは近づいた。ユベントスの守備網を切り裂くその姿は鬼気迫るものがあった。しかしやはり1人では釈迦の掌からの脱出は叶わず、健闘虚しくゴールは入らない。前半はそのまま終了した。

メッシの鈍光

果たしてマラドーナの後継者、リオネル=メッシは衰え始めたのだろうか。後半からはメッシが中盤と前線の間をうろつき始め、ユベントスのゾーンの隙間を狙うも上手くいかない。決定機も外してしまった。前半から覚醒しているネイマールがチャンスを作るも、メッシはもう、神の輝きを持っていなかった。

そしてユーベは試合に引き分け、戦いに勝った。

すみません、、

大まかな流れはこうである。最近いかんせん多忙であるので後日詳しい分析をモナコ戦のプレビューと共に行いたい。

 

 

バルセロナの矜持

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ユベントスバルセロナによるCL ラウンド8.2nd legがいよいよ明日早朝に迫って来た。

そこでどのような試合展開になるのか、直前予想をしたいと思う。

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詳細は前の記事をご覧頂きたいが、1st legはユベントスによる3-0の完勝に終わった。バルセロナの根本的な問題はフォーメーション図の後ろ半分にあったのだが、そこが改善されるか否かで流れは変わってくる。

 

その点に関して、まずブスケッツの復帰は好要素であろう。更にイニエスタが16日のソシエダ戦で後半の後半にしか出場していない為、疲労の色が薄いこのコンビネーションには期待できる。

 

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これがその16日のフォーメーションである。

 ユベントス戦と特に異なるのは4バックであること(とはいえユベントス戦でも3+1バックである時間帯もあった)、ネイマールイニエスタが出場していないこと、また左SBがアルバに戻ったことである。

4バックか3バックか

基本を4バックにするか3バックにするか。これは今のバルサにおける最大の問題だと思う。

4バックにするメリットは後ろでブスケッツを含んだボール保持が可能になることだ。これができるようになればMSNの両端が中盤の深い位置まで下がらざるを得ず、スアレスが孤立することもなくなる。しかしこれをする上での問題もある。今のバルサにはプジョルが居ないのだ。単純に言えば人員不足である。マスケラーノでもユベントスの前線を防ぎ切ることは難しい。

3バックにするとどうなるか。ブスケッツが居る分、1st legよりはマシにはなろうが、パスが回りにくい。後ろが2人、前が1人の安定したトライアングルを作れないのだ。守備は4バックに比較すると少しは安定するがユベントス相手には3も4もあまり変わらないだろう。

しかしユベントスは恐らく前線からプレスを仕掛けてくる。それもブスケッツを完璧に抑えた上でである。3バックではその時にボールを回しにくくなる。

よって僕は4バックを推奨する。ユムティティには頑張って貰うしかない。

1点で終わらせられるユベントス、3点必要なバルセロナ

ユベントスは守備を固めつつ中盤と最終ラインの間でボールを奪い、1点を取ってしまうのが最終目標となろう。アウェーゴールを1つ取ってしまえばバルサは勝ち抜けに5点必要になる。MSNと言えどユベントスから5点は奪えない。1点を取ればユベントスは野となれ山となれである。

対してバルセロナは大前提として失点ができない。その上で最低3点取らねばならない。攻守共に完璧な試合運びが求められる。

楽観的なバルサファンには会場がカンプノウだということとPSG戦の大逆転劇を根拠に1点とられようが勝てると申す方もいらっしゃるかもしれない。

断言しよう。失点をした瞬間にバルサの敗北は確定する。アッレグリはエメリではない。常に牙を剥いている。奇跡は二度は起きない。

起きたならそれは奇跡でなく、カンプノウの「必然」ということになろう。

勝つのは、、

最後に。筆者はユベンティーノである。しかし折角の好カードであるので互角の戦いを見てみたい。ユベントスの圧勝とならぬよう、バルサに頑張って欲しい。

 

だがしかし。最後に勝つのはビアンコネリである。

なぜバルサはユーベに敗れたのか

先日のCL準々決勝1st legで14-15決勝と同カードで試合が行なわれた。スペイン第二の都市、カタルーニャ州の雄バルセロナ対イタリアの覇者ユベントスである。前回は一発勝負だったが今回はホーム&アウェイの計2戦。戦術だけでなく戦略も必要である。

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今回はバルセロナの敗因、ひいてはユベントスの勝因を探っていきたい。

 

                              布陣&基本戦術

ユベントス                                         

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バルセロナ              f:id:usuk1205:20170414212849j:image

(Goal LIVE より引用)

 

まずユベントス側の説明から。

この試合、ユベントスは ”ファイブスターズ” と呼ばれる最近セリエで猛威を振るっている超攻撃的布陣で臨んだ。アッレグリ監督はこのことを事前に説明していた。これはバルセロナと真っ向から戦うという意思表示であり、またサイドから試合を攻略するという決意表明でもあった。

 

この戦術における攻撃でカギとなるのは2列目の3人である。ただし中央のディバラ、右のクアドラードの2人とマンジュキッチは少し役割が異なる。前者2名は主にカウンターとサイドアタックを組み立て、マンジュキッチはターゲットと攻守のバランサーのタスクを担う。

 

このチームの攻撃は基本的に右サイドに偏っている。このユーベの右サイドからの攻撃を防いだ時、3バックのバルセロナとしてはMSN(メッシ、スアレスネイマール)に”確実に”早くボールを渡してカウンターを狙いたい。そしてその確実性を高めるためには (当たり前だが)精度の高いロングボールを送るか中盤に預けて運ぶかの選択肢を取ることになる。

この試合、ユベントスは試合開始から積極的にプレスを仕掛けていた。その激しさ、徹底ぶりは最前線のイグアインバルセロナのGKであるシュテーゲンにまで圧をかけていたことが示すだろう。

この高密なプレスにより3バックのバルセロナのDFはポジティブなパスコースを見つけることが出来なくなっていた。自陣後方でボールを辛うじて繋ぐか、精度の低いロングボールを入れるか。いずれにせよ効果的な攻撃はできていなかった。これがユーべの最初の狙いであり、前線に関しての基本戦術であったと思う。

 

続いてバルセロナが何を狙ったのかについて。

 エンリケ監督のバルサは基本的にMSNの爆発力がそのままチーム力に直結する。グアルディオラ時代の”ティキタカ”は素地としては残るものの戦術に通底するものではなくなっている。たらればの話になるが今回の試合、相手がグアルディオラバルサであったならユベントスはこう簡単に勝てなかったであろう。

 

MSNが最前線で即興的な攻撃を奏でられれば最高、それが無理ならメッシ、ネイマールが2列目に降りて数的優位を作り、ゲームを組み立てる。ここにイニエスタが加わるといえば大体説明がつく。

 

またPSG戦での大量失点を見ても想像に難くないようにバルサの守備はかなり甘く自陣ペナルティーエリア付近においてすらマークのズレ、ボール保持者へのチェックの遅れがよく生じる。

 

バルサが失点をしないためには攻撃力による抑止が必須でそれゆえにMSNのユニットに戦術的重点を置いている。

 

                   ユベントス優位の予兆

 バルサのウィークポイントはブスケツの不在、マシューの適合性の低さであった。

 

まずブスケツの不在

この選手がいないことによりバルサは後方からボールを繋げなくなる。

中盤と最終ラインを繋ぐチームの心臓。ブスケツがいればユーベの1点を取るまでの猛プレスはあれほどはまらなかったはずである。まあブスケツが居るならそもそもアッレグリ監督はあの策を採らなかったと予想されるが。

チームの心臓がいないことによる被害はそれだけでは収まらなかった。中盤の機能不全を人数で補うため、メッシとネイマールウイングバックの位置まで降りてくるようになる。有利な状況でそうしているのなら他の選手が前に出ていけるのだが今回はそうはいかない。前線にはスアレスだけが残り、MSNは力を発揮出来なくなった。

 

次にマシューの機能不全である。

そもそもなぜアルバでなくマシューを選んだのか。これは推測だが、恐らくクアドラードの身体能力に対応するためであろう。だがマシューではその面でも役不足であった。前半の最後の方は拙くも攻撃参加をしたシーンがあったがそれを除いてはパスをカットされかける、ポジショニングが悪く味方のパスワークを補助できていないなど効果的であったとは言いづらい。比較優位で無難にアルバを選択していたほうが良かったのではないかと思う。

 ユベントスが実力で上回ったというよりは作戦勝ちであろう。

 

                     1点目が全てを決めた

絶好調のバルサならともかく、ブスケツを欠いたバルサ相手には1stレグで勝つということだけを考えると”取りに行く”のは1点で充分だったはずだ。

 

ディバラが絶妙な体幹を魅せた1点目は前述のプレス戦術をかけ始めて7分で生まれ、そこからは真綿で首を絞めていくだけの展開となったからだ。

 

先制点を奪ったのを境にユベントスはプレッシングの手を少し緩め、中盤と最終ラインに網を張った。バルサブスケツの穴を数で埋めるため、スアレスを残してDF以外は中盤に吸収された。スアレス以外に常時見張るべき相手がいなくなったユベントスのDF陣は余った人員を割いて更に強固な壁を最終ラインに作った。

60年代のインテル/エレーラ監督によるカテナチオを彷彿とさせる鉄壁の守備が完成した。

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 ここからユベントスがやるべきことは一つ。バルサを掌で転がし、機を見て反撃。合計180分の戦いの後半へ向けて点を蓄積するだけだった。

 

そして90分で計3点を奪い、完封した。

 

ユベントス3-0バルセロナ

 

ユベントスの完勝と言えよう。

しかし次戦はブスケツが出場するため、バルサは1stレグとは全く違うチームになる。また会場はPSG戦の大逆転劇が起こったカンプ=ノウ。ユベントス側としては十二分に警戒して然るべきであろう。

 

 とは言え私はユベントスがベスト8で姿を消すとは思わない。鬼才アッレグリ監督がまた何らかの対応策を用意するはずだ。

近い内に2nd legをどう戦うべきかについての考察を行いたいと思う。

 

 

 

ユベントスの魅力

f:id:usuk1205:20170414004913j:image イタリアはユベントスのマッシミリアーノ=アッレグリ監督は試合中の対応策を豊富に持っている。その戦術はカテナチオを遺産に持つイタリアのチームらしく守備を基本として堅実である。カルチョ文化の絶対王者の司令官らしくリアリスト的側面が強い。

 

ここ数ヶ月はディバラ、クアドラード等「ファイブスターズ」と呼ばれるワールドクラスのアタッカーを攻撃に据えたサッカーによる攻撃的な印象が強くなっているが、それでも変わらないのはCBとブッフォン、又組織全体による強固な守備だ。

自らより強いチームと戦う時、守備時にテレビ画面にたちまち表れるDFとMFの2本の白いフィルターは芸術と言う他ない。

 

格下相手に重大な取り零しが少ないのはなおのこと、CLの強豪相手にすら組織的に戦い、互角以上の勝負を見せる。最後に敗けらしい敗けをしたのは14-15シーズンのCL決勝、バルセロナ戦ではなかろうか。それ以降負けはすれど力量、戦術面で一杯喰わされたような記憶は、、、ない。現在所属中のイグアインを除いて金権趣味的補強をしないのにである。

 

監督から補給戦略に至るまで全てが合理的で無駄がない。レアルマドリー等のギガクラブでピークを過ぎた選手を再生させることも決して珍しくなく、賭けることもなく確実に適応、最盛させる。

そんな堅実さ、謙虚さに、憧れるのである。